真木柱3 とうとう事件発生!
ひげ黒の大将の奥様は、人に劣っている方ではありません。
世間の評判は良く、もの静かな美しい方です。
ただ、以前から、もののけ、悪さをする霊のせいで正気を失うことがあります。そのため夫婦仲は冷めています。
(この時代、原因不明の病はもののけのせいと言われていました)
さてさて、大将は玉蔓の元へ出掛けようとしていますが、奥様は夫の衣装に香を炊いて香りをつけています。
今日は正気のようですし、大将も悪いなあ...とは思います。
奥様は「ここにいても心があちらを向いているのでは、かえって辛いです。あちらにいても私を思って下さるほうがよろしゅうございます」とおっしゃいます。
雪が止んできました。お付きの者が知らせます。
出かけようとする大将。
すると奥様、ふっと大将の後ろに周ります。手にはお香を炊く香炉(こうろ)が。
奥様、香炉を投げつけた!
ブワッ!!灰があたり一面に舞う...
突然のことで、誰も奥様を静止できませんでした。
大将は灰まみれ。髪にも灰が入り込んで、これでは出かけられません。
きっともののけのせいだと周りの人たちは思います。
しかし、大将はこの一件で、奥様への想いが完全に冷めてしまいました。
自宅に帰らず、玉蔓の所にこもっています。
本文には書いてないのですが、さっきまでお香を炊いていた香炉を投げたんですよね。灰、熱くなかったかしら?大将、やけどしていないかな...😅(続く)