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花散里(はなちるさと)1 源氏だってフラれるのだ

さあ、源氏の君はどうなるんだ、といったところで終わった前回。しかし、紫式部先生ここでインターバルを置くんですね。穏やかな内容の話がひとつ始まります。

 

源氏の君の父院の妃で麗景殿女御(れいけいでんのにょうご)と呼ばれた方がいました。御子はなく、院が亡くなったあとは源氏の君の支えを頼りに生活されています。

女御の妹の三の君は源氏の君と語らう仲です。五月雨の晴れ間のある日、源氏の君は二人を訪ねます。

 

途中、中川のあたりで昔来たことがある女の家を見つけます。ほととぎすの鳴き声に誘われるように、歌を贈ります。

ほととぎすが昔を懐かしく思ってこちらの宿にやって来ました

返事は

昔のほととぎすのようですが、五月雨の曇り空ではっきりしません

 

...あら、知らん顔の返事です。源氏の君フラれたようですね。家を間違えたようですね、と引き下がりました。女には新しい男ができたのかもしれません。

 

源氏の君はたった一度でも関わった女性は忘れることのない性分です。それだからかえって女性たちのもの思いの種にもなります。

しかし、平安時代は一夜でポイされることもざらにありました。そんな中、女性を忘れない源氏の君は理想の男性と言われました。

 

しかし女性のほうから心変わりすることもあったのです。(続く)