桐壺2 帝の愛はハタメーワク？

じつは、帝の行動がかえって桐壺更衣を苦しめているようでもありました。

更衣が、帝の部屋に呼ばれると、廊下に汚物が撒かれていたり、向こうと手前で示し合わせて扉に鍵をかけて閉じ込めたり...

すると帝は、桐壺更衣のためにもう１つ帝の部屋に近い部屋を用意させました。

しかし、そのためにもともとその部屋にいたほかの妃が部屋の移動をするハメに。この妃にすれば「桐壺更衣のせいでこんな目にあった」と恨むのも仕方ないでしょう。

こうなると、卵が先か鶏が先かみたいな状態です。帝の愛が嫉妬を呼び、嫉妬されればされるほど帝は愛し守ろうとする。

心労のためか桐壺更衣は源氏の君が３歳の年に亡くなりました。後に更衣の母が帝の見舞いの使者に言ったこと。「帝の寵愛はかえって辛いものでした」

そして帝は...(続く)