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手習3 浮舟、出家する

横川の僧都(よかわのそうず)が宮中から呼び出しを受けたので、比叡山を降りて来ました。その途中、浮舟がいる山荘を訪ねます。

 

浮舟、(これはいい機会だ)と僧都に出家を頼みます。

僧都は「まだお若いあなたが、どうしてそんなに固い決心をされたのですか」と尋ねます。

「私は幼いころから苦労が絶えず、母親も尼にして育てようかと考えていたようです。まして今はその思いが強くなっています」

 

「それでは宮中から戻りましたら」と僧都は言いますが浮舟は(その間に、私を世話してくださる尼君が帰ってきてしまう。そうしたら尼君は私の出家を反対するだろう)と思い、「やはり今日は良い機会だと思います」と再度お願いします。

 

僧都は浮舟の決心の固さを感じ、浮舟を出家させました。

 

 

出家の願いを叶えた浮舟は胸がホッとする思いです。

何か思いがあふれる時は文字にして気持ちを落ち着かせます。

「死んでこの世を捨ててしまおうとしたけれど、出家という形でまたこの世を捨ててしまった」などと書いています。

 

お参りから帰って来た尼君は、浮舟が出家した姿になっていて、ひどく悲しみます。

「私が生きている間はあなたを大切にしていこうと思っていましたのに...」

当時の出家は社会的な死でしたので、尼君は泣いています。女房たちも、どうして僧都は浮舟さまの出家を認めたのかと僧都を恨みます。

 

でも、出家を遂げた浮舟は熱心にお経を読み、尼としてしっかりと歩み始めました。もう気持ちが晴れ晴れとしたので、時には尼君と冗談を言ったり、囲碁を打ったりしています。(続く)