明石4 父親代筆の恋文
運命を感じた源氏の君は明石の娘に手紙を送ります。
娘は今は岡にある家にいます。父の入道は返事を早く書くよう急かしますが、明石の君は「こんな立派な筆使いの手紙に返事など、気後れがします」と書こうとしません。そもそも、源氏の君と自分とでは身分が違いすぎると考えています。
やむなく入道が代筆します。源氏の君にすると代筆は驚きです。
恋文は、最初のうちは代筆です。しかし高い身分の人からの手紙には本人が返事をしたためるほうがいいでしょう。まして源氏の君からの手紙となればなおさらです。
明石の君としては身分が違いすぎると控えているだけですが、源氏の君は逆に気位が高いと思っています。あらら。
翌日源氏の君はもう一度手紙を送ります。さすがにまた代筆は失礼だと父に言われた明石の君は紫色の紙に返事をしたためて送るのでした。(続く)