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明石3 運命があなたをここに呼んだ

ある日、源氏の君は明石の入道とさまざまな楽器を演奏して楽しみます。明石の入道は琵琶や琴を演奏しますが、なかなかの腕前です。

そして「私が鳴らすのを、よくまねる者がいます。機会があればお耳にいれとうございます」と申します。暗に娘をあなたに引き合わせたい、と言っています。ちと露骨かもしれません。

 

明石の入道は思いきって源氏の君に打ち明けます。「あなたさまがこのような土地にいらしたのは、神仏がこの老法師の願いを聞き届けてくださったからではないでしょうか」

 

「住吉の神にお祈りして十八年になります。私はこうして田舎に住まう身となりましたが、娘には高い望みをかけていました。なんとかして都の貴人に差し上げたいと...」

 

すると、私が身に覚えのない罪をきせられ、このような土地をさすらうようになったのは、この人と巡り会うためなのか。それだけ、強い前世からの約束がある人なのか...(続く)