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須磨6 娘を光源氏に嫁がせたい!

さてさて、須磨の近く、明石には明石の入道と呼ばれる方が住んでいました。この方、もともとは上流階級の方で、なんと源氏の君の母桐壺更衣のいとこなのです。しかし、今は明石の地の豪族として暮らしています。

 

光源氏の君が朝廷から追われて須磨にいらっしゃるそうだ。これはまさによい機会。娘を差し上げよう」

 

「んまあ、何を言っているんですか」奥様の尼君はあきれています。

「源氏の君といえば、都に高貴な妻が何人もいらっしゃると聞いています。それどころか、帝の妻とさえ忍んでいい仲になっていたとか。こんな山賊に心をとめるはずないでしょう」山賊というのは卑下した表現です。

 

さらに「おめでたいことの始めが、罪にあたって流罪になった人だなんてとんでもない」と反対します。

 

 

しかし入道は気は変わりません。「優れた人が罪にあたった例はよくあることだ。女は気位を高く持つべきもの」

 

いやはや、こんな身分低い人がとんだ高い望みを持ったもの。当時の読者は笑っていたかもしれません。でも、わざわざこんな話が書いてあるということは、ただの笑い話にするとは思えません...(続く)