早蕨(さわらび)1 薫の複雑な思い
年が明けて、亡き八の宮と親交があった僧侶からわらびが中の君に送られてきました。(父も姉も亡くなり、いっしょに見る人がいない...)中の君は寂しく思います。
一方、薫は1月下旬に匂宮(におうのみや)を訪ねます。
匂宮は「近々中の君を、こちらにお迎えしようと思う」と話します。
恋しい大君の妹が、いよいよ手の届かないところに行ってしまう...
なんで大君が望んだように、自分が中の君と結婚して都に迎えなかったのだろうか。
いやいや、いつまでもこんなことを考えていても仕方ない。これまで八の宮のご家族を支援してきたように、中の君の引っ越しの準備をしなくては。
薫の思いは複雑です。
中の君は姉の服喪期間が終わり、いよいよ都に出発です。
出発前日、薫は中の君を訪ねます。
中の君は姉の大君を思い涙がこぼれます。
しんみりと悲しそうにしている中の君の様子に、大君の面影を重ねる薫。
なんで自ら進んで他人の女性にしてしまったのか...薫は悔しく思います。(続く)