蛍2 ほたるのひかり
玉鬘に会いに来た蛍宮。といっても、すだれごしの対面で、言葉も女房が間に入って伝えます。
あれこれと想いのたけを訴える蛍宮。なんと答えていいやら戸惑う玉鬘。そこへ源氏の君が入って来て、さっと光る物を放ちました...蛍です。
夕方、蛍を沢山集めて布に隠し、光が漏れないようにして持って来たのです。
一瞬室内が明るくなり、玉鬘の姿が浮かび上がりました。玉鬘、すぐに扇で顔を隠しましたが、蛍宮ははっきりと玉鬘の顔を見ました。美しい玉鬘の姿は、蛍宮の心に染み付きました。
うーん、ほたるのひかりで美女を見るロマンチックなシーン。
でも、田舎暮らしでほたる一匹の明かりがどの程度か知っている私は
「いったいどんだけの数のほたるを集めたんだよ」と現実的な考えをしてしまいます。😅
ちなみに、「ほたるのひかりで美女を見る」というのは、当時の物語ではよくあるパターン、定型でした。平安人はロマンチストだったのですね。(続く)