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澪標5 身の程を思い知らされてしまう明石の君

秋になり、源氏の君は住吉神社にお礼参りに向かいます。宮中の人たちも、われもわれもとお供して、華々しい行列です。

ちょうど同じ日、明石の君も舟で住吉神社にお参りに来ていました。毎年春と秋にお参りしていますが、妊娠出産があったので久しぶりです。

 

いやはや、すごい見物です。明石で顔を合わせた源氏の家臣たちは、立派な衣装にたくさんの付き人を従えています。神社に奉納する宝物もたくさんあり、舞の奉納も美しい顔立ちの舞人を選んでいます。

 

 

あまりの盛大さに明石の君は、「何でよりによって同じ日に参詣したのかしら」と悲しくなります。源氏の君と自分とでは、立場があまりにも違いすぎることを噛みしめます。

 

こたえたのは、源氏の息子、夕霧の姿です。

光源氏の若君様、母親も大臣家の姫というこの上ない立場。多くの人にかしずかれている。それに引き換え私の娘は、数にも入らず明石の浦でひっそり過ごしている。

同じ源氏の君の子供でも立場が違う...

 

 

明石の君は、今日の参詣は止めました。

あれだけの盛大な参詣の前では、私たちの少しばかりの奉納する品も神様の目にはとまらないでしょう。今日は難波でお祓いをしていただきましょう。

明石の君一行は去りました。(続く)