空蝉2 彼女は本当に不美人？

この時代の美人の条件のひとつは、ふくよかであること。空蝉が不美人と言われるのは、彼女が痩せているのが理由のひとつです。

しかし、私、どうしても彼女が不美人と思えません。

なぜなら、彼女はもともと良家の娘で、源氏の君の父帝にお仕えする話もあったのです。しかし、親が亡くなったのでその話は無くなりました。

帝にお仕えさせようと思うくらいの娘なら、顔立ちもいいと思うんです。

当時は後見人がいなくなると、良家の娘でも生活が立ち行かなくなります。空蝉も厳しい状況に立たされたと思います。

親の念願を果たせなかったことを空蝉は残念に思っていました。これらのことから、空蝉は精神的にも経済的にも追い込まれて食が細くなり、痩せてしまったのではないか。経済的に安定した今でも身体は細いままなのかもしれない。私はそう考えています。彼女はいろいろ苦労があったのでしょう。

次回は本文に戻ります。皆寝静まり、源氏の君が動きます。