空蝉(うつせみ)1 品のある不美人と品のない美人
源氏の君はだんだん意地になってきて、どうしても空蝉をなびかせようと考えています。そして、紀伊守が留守の折を狙って、空蝉の弟に屋敷に案内させました。
こっそり部屋を覗くと、空蝉と紀伊守の妹が碁を打っています。空蝉は小柄で器量はよくないのですが、品のある振る舞いをしています。紀伊守の妹は大柄で華やいだ美人ですが、品がない。暑いとはいえ、胸をはだけています。
源氏の君は空蝉の方を好ましく思います。
このシーンはなかなか興味深いです。源氏物語以前の作品は、ヒロインの姫は美人で家柄もよくて性格もよくて...といったところでした。品のある不美人と品のない美人を見比べる。そして、品のある方がいいという結論。紫式部先生はこういった考えだったのでしょうか。
ところで...
そもそも空蝉って不美人なんでしょうか?(続く)