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箒木(ははきぎ)1 お偉いさんの接待は辛いよ

源氏の君は17歳になりました。ある雨の夜、宮廷のある部屋で女性談義をしています。ここは有名なシーンですがさらっといきます。

話で出たのは、中流階級の女性は個性があっておもしろいこと、葵の上の兄の頭中将(とうのちゅうじょう)が忘れられない人がいるということでした。子供もできたけど、妻が圧力をかけたので行方をくらましたとか。

 

それより私が興味深く思ったのは、そのあとの話。

 

今日は方違えの日です。方違えとは、出かける先の方角が悪い時に、他の方角の家に留まって翌日改めて出かけること。現代でも大安や仏滅を

気にしますが、当時は今以上に吉凶が重んじられていました。

 

左大臣の家も自宅の二条院(にじょういん)も方角が悪いので、風流な家と評判の紀伊守(きのかみ)の屋敷に行くことに。

 

いきなり行くと言われた紀伊守は「こんな急に」とこぼしています。急いで屋敷を整えています。

源氏が到着して気のはる接待スタート。明かりをかかげ、お菓子や果物(貴重です)を出しています。

 

すると源氏の君、「とばり帳も、というじゃない」と言い出します。

これは歌の一節で「あなたを婿に迎えましょう。肴は何がいいですか。あわびにさざえ、うにがいいでしょう」という歌からきています。じつは、うには女性の隠語。まあ、源氏の君ったら、女を出せって言ってます。ジョークでしょうけど。😅

 

さすがに紀伊守も「どんな肴がお好みか分かりませんので...」と返しています。

 

あまり注目されるシーンではありませんが、今も昔も、お偉いさんの接待は大変だとクスッとなってしまうシーンです(続く)