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宿木3 姉がいてくれれば...

あなたが独り身だった時、一晩お話をして夜を明かしたことがありましたね。あの時に戻れたら...!

薫は中の君をつかまえます。

 

「こんな事をする方とは思ってもいませんでした。女房たちがなんと思うでしょうか」中の君は泣きそうになります。

 

しかし、薫は中の君が妊娠のしるしの腹帯をしているのを見て、自制して帰りました。

 

 

次の日、匂宮が帰って来ました。

「ただいま、中の君。...ん?」匂宮は中の君の衣服から、薫の香りがすることに気がつきました。中の君は着替えていましたけど、深く香りが移っていたのです。

「薫が来たのですか?こんなに香りが移っているとは、まさか何もかも許してしまったのではないでしょうね?

私はあなたを大切に思っていたのに、こんなあっさりと他の男に乗り換えてしまうとは何事です!」

 

「あまりにひどいことをおっしゃいますわ。香りが移ったくらいで、夫婦の縁が切れてしまうのですか」泣き出す中の君。

そんな中の君が可愛らしくて、いつまでも憎んでいられない匂宮でした。

 

 

薫は「やはり自分は、中の君の後見人でいよう」と思いますが、送る手紙に時々恋心をちらつかせてしまいます。

中の君は、薫は後見人として頼れるけど、自分に向けられる恋心をどうすればいいか悩んでいます。と言って、いきなり後見を止めてくれとか言いだしたら、それはそれで周りの人が変に思うだろう。

 

姉の大君(おおいぎみ)が生きていてくれれば...(続く)