源氏物語を楽しもう‼️

源氏物語の魅力を目一杯伝えたいブログ

若紫1 愛する人の面影

源氏物語のヤマ場となるお話がぞくぞく出ます。お楽しみに。

 

季節は春になりました。源氏の君は病を煩い、加持(かじ 密教の祈り)を受けるため北山へやって来ました。当時は病になると仏教の力を頼っていました。

だいぶ具合が良くなったので外に出ると、女性のいる庵が。はて、僧の山になぜ女性がいるのかなと見に出かけます。

するとそこは尼が住む庵。しばらく見ていると、

「雀の子犬君(いぬき 召し使いの女の子)が逃がしちゃった~」

と走ってくる女の子。なんと藤壺にそっくりです。

 

この女の子こそ後の紫の上。でも、まだ小さいので紫の姫君と呼びます。

 

似ているのも道理で、彼女は藤壺の兄の娘。ただし正妻の娘ではないとのこと。母親は既に他界していまして、祖母の尼君と暮らしていました。

事情を知った源氏の君は尼君に直談判。紫の姫君の後見人になりたいと。

しかし、これは半ば結婚の申し込み。まだ幼い子供ですと尼君は断ります。

 

 

それにしても、源氏の君といい父帝といい、そっくり親子だなと思います。愛する人が忘れられないので、似た人を求めるとは。桐壺の代わりに藤壺を、藤壺の代わりに紫の姫君を。

ちなみに、桐の花も藤の花も紫色。三人が似ていることを暗示しているそうです。

 

 

病気が治った源氏の君を左大臣家の皆様がお迎えに来ました。北山はまだ桜が盛り。桜を愛でながら音楽を楽しみます。美しい桜の下、源氏の君が琴を演奏するのがとてもすばらしいと描かれています。

紫の姫君は、源氏の君の様子を見て「私の父様より立派な人ね」と言います。すると尼君が「あの方の御子になりますか?」

「そうなったら素敵」と姫君は応えます。(続く)